第一大臼歯萌出後ただちにFS処置(グラスアイオノマーセメント)を行った小児患者(平均年齢6歳2ヶ月)のうち、平均5年3ヶ月経過観察した90名(男児45名、女児45名)【360歯】のう蝕診査を行った。その結果、う蝕に罹患している第一大臼歯は、上顎の左右でそれぞれ6人(6.7%)【1.6%】、7人(7.8%)【1.7%】、下顎の左右でそれぞれ7人(7.8%)【1.7%】、6人(6.7%)【1.6%】だった。2016年の歯科疾患実態調査(厚生労働省)における同年齢の小児患者の第一大臼歯う蝕罹患率(FS治療を受けた患者を除く)は24.0%であったのに対し、本研究における第一大臼歯う蝕罹患率は平均7.3%であった。FSには長期的なう蝕予防効果が認められた。すなわちpHの変化から歯を守ることに貢献した。