唾液は口腔に分泌されると約0.1㎜の薄い膜状になって口腔内を流れます。その量は各部位で異なっています。寒天中に一定濃度のカリウムを溶解し、それをホルダーに入れて口腔内各部位に一定時間留置しておくと、その間、寒天表面に流れる唾液量によって、その寒天中のカリウム濃度が変化します。すなわち、多く流れるとカリウムの濃度が少なくなります。結果、最も多く減少するのは下顎前歯部舌側で、最も減少量が少ないのは上顎前歯部唇側でした。唾液の到達量が異なると、pHにも影響します。唾液量はステファンカーブに影響するので、当然ステファンカーブは口腔の各部位で異なってきます。